水っぽい野菜炒めから卒業!野菜炒めをおいしく作るポイント・味付け方法

野菜炒めは簡単でおいしく、忙しいときになにかと重宝するおかずですよね。しかし、野菜炒めをおいしく作るのは意外と難しく、コツを押さえないと水っぽくなってベチャッとしてしまったり、野菜がしなしなになってしまったりします。野菜炒めをおいしく作るためには、どのようなポイントを意識したらよいのでしょうか?

野菜炒めはなぜ水っぽくなる?

白い器に盛り付けられた肉野菜炒め

野菜は水分量が非常に多い食材です。もやしに至っては、重量の約90%が水分なのだとか。水分は野菜の細胞内にあり、その細胞が壊されることで水分が出てきます。つまり、野菜を切るとき、細胞を壊してしまうような切り方をすると、水分が出やすくなってしまう……というわけ。

また、炒める際の火力も重要なポイント。野菜をいきなり高火力で加熱すると、細胞が壊れてしまいやすいのです。さらに、味付けで使う“塩”にも気をつけたいところ。野菜に塩を振ると浸透圧で内部に含まれて水分が出てきます。つまり、塩には野菜の水分を外に出す効果があるんですね。塩を振るタイミングを間違えると、ベチャッとなりやすくなるので注意が必要です。

野菜炒めをおいしく作るポイント・コツ

縞柄が入った器に盛り付けられた野菜炒めとお箸

家庭で作る場合、火力は「弱火」で

よくおいしい野菜炒めを作るコツとして、「火力は終始強火で」と言われることがあります。しかし、火力の強さはお店と家庭では根本的に異なるので、お店と同じようにガンガン強火で炒めても、野菜炒めはおいしく作れません。中途半端に高温で炒めると、水分が出やすくなったり、うま味、甘味などが逃げやすくなるのです。

そのため、家庭で野菜炒めを作るときは、火力を弱火でキープするのがおすすめ!弱火で炒めた方が野菜の細胞を壊しにくく、水分が必要以上に出ません。また、うま味や甘味なども残して仕上げることができます。

水っぽくならない野菜の切り方

なるべく野菜の細胞を壊さずに切ることで、水分が出にくくなります。実際に野菜を切る際は、正しい姿勢を保ち、包丁の先の方を使ってやさしく切ることが大事です。このとき、力ずくで押し込むように切ると細胞を壊してしまうことがあるので、注意しましょう。

また、当然よく研がれた包丁の方が野菜も上手に切れます。野菜炒めをおいしく作りたい場合は、事前に包丁をよく研いでおくとよいでしょう。

野菜炒めが水っぽくならない味付けの仕方

味付けに使う塩は、野菜の水分を出しやすくする効果があります。そのため、味付けを行うのは、調理の最後に行うのがポイントです。野菜に火が通り、しんなりしたら、調味料をくわえて味を調えましょう。

にんじんなど火が入りにくい食材は事前に下ゆでしておく

にんじんや根菜類など、火が入りにくい食材を使う場合は、事前に下ゆでしておくのが吉!そうしておけば、「火が入っていなくて生っぽい……」という状態も避けられます。熱湯でさっと下ゆでするか、ラップに包んでレンジでチンするなどして、少し火を入れておくと失敗が少ないでしょう。

おいしい野菜炒めの作り方。「フライパンは冷たいまま」がポイント!

フライパンでもやし、ピーマン、こまぎれ肉など、野菜炒めの具材を炒める様子

それでは、さっそくおいしい野菜炒めの作り方を紹介しましょう!ポイントは、野菜を炒める際の火加減。まず最初にお肉を炒めてから取り出し、それから野菜を炒めていきます。そのとき、冷たいままのフライパンに野菜を投入するのがポイント。それから弱火でじっくりと蒸し焼きするように炒めていきますよ!

材料(2人分)

・豚肉……200g 
・キャベツ……1/4個
・玉ねぎ……1/2個
・にんじん……1/2本
・もやし……100g

【調味料】
・塩こしょう……少々
・鶏ガラスープの素……小さじ2杯

・サラダ油(炒め用)……適量 
・ごま油(仕上げ用)……小さじ1杯

作り方の手順

1. 野菜を切る

玉ねぎは薄切りに、にんじんは2等分にしてから斜め薄切りに、キャベツはざく切りにします。豚肉も必要があれば食べやすい大きさにカットしておきましょう。

2. フライパンで肉を炒める

フライパンを強火で30秒ほど熱して油をひき、油が全体に行き渡ったら弱火に。ほんの少し間を開けてから豚肉をなるべくばらして入れ、炒めていきます。

3. 肉が炒まったら火を止め、取り出しておく

お肉に火が通ったら火を止めて、一旦お皿やボウルなどに取り出しておきます。

4. 冷たいままのフライパンに野菜を入れてから炒めていく

冷たいままのフライパンに野菜を入れて、サラダ油を大さじ1/2杯を回しかける。野菜全体に油がまわったら、火をつけて、弱火でじっくり炒めていきましょう。

5. 2~3分に1回混ぜる

炒めている間は常に混ぜるのではなく、2~3分に1回混ぜるようにします。上下を入れ替えながら蒸し焼きするイメージで火を通していきましょう。これを10~15分間程度続けます。

6. お肉を戻し入れて、調味料で味付け

野菜に火が入ったらお肉を戻し入れてざっくりと混ぜ合わせ、調味料で味付けします。最後にごま油を回しかけて完成!器に盛って食卓へ並べてください。

まとめ

野菜炒めをおいしく作るコツはいくつかありますが、まずは「弱火で野菜を炒める」という方法を実践してみてください。この方法を一度実践してみて効果を実感したら、そのほかのポイントも試してみましょう。野菜の細胞を壊さずにカットする、塩分は最後の仕上げにする……いくつかのポイントを守ることで、いつもの野菜炒めがぐっとおいしくなるかもしれませんよ!